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28歳に向けて

2026年6月30日

来月、28歳になる。

かつて村上春樹の『遠い太鼓』のある一節が印象に残っていた。

歳を取ることはそれほど怖くはなかった。歳を取ることは僕の責任ではない。誰だって歳を取る。それは仕方のないことなのだ。
僕が怖かったのは、あるひとつの時期に達成されるべき何かが達成されないままに終わってしまうことだった。
それは仕方のないことではない。

ちょうど去年の今頃、まだ26歳の頃、焦りは大きくなっていた。私にとってはっきりとした根拠はないけど、27歳というのは”あるひとつの時期”であり、何も達成していないことに気づいていた。

今までどれだけ本気で取り組んだだろうか、何かに挑戦したのか、現実逃避はしていないか、そもそも人生は1度しかないことに目を背けていなかったか。

外から見れば、それなりに順調に見える場所にいた。けれど実際には、自分の人生を自分で選んでいるという感覚が薄かった。
大事なことほど、自分の判断よりも、外から差し出される基準や期待を優先していた。いつの間にか、それを受け入れることにも慣れてしまっていた。その結果、私は主体性を失っていたのだと思う。

暗闇に石を投げても何も返ってこないように。何かをしても実感がなかった。

27歳のうちに多くのことが起きた。環境も変わった。身の回りのことも、自分の内側にあるものも、ひとつずつ整理しなければならなかった。
失ったものは少なくない。
それでも今、私は以前よりも満たされていて、幸せだと思う。そして、小さなことではあるけれど、確かに”達成されるべきこと”を達成できた。